Selected Papers 論文アーカイブ

オートファジー研究の代表的な論文を紹介します。各論文の概要は、PubMed に掲載された抄録をもとにまとめたものです。

  • 2019 Nat Commun 10(1):847

    Suppression of autophagic activity by Rubicon is a signature of aging.

    Nakamura S, Oba M, Suzuki M, Takahashi A, Yamamuro T, Fujiwara M, Ikenaka K, Minami S, Tabata N, Yamamoto K, Kubo S, Tokumura A, Akamatsu K, Miyazaki Y, Kawabata T, Hamasaki M, Fukui K, Sango K, Watanabe Y, Takabatake Y, Kitajima TS, Okada Y, Mochizuki H, Isaka Y, Antebi A, Yoshimori T

    オートファジーを抑える因子Rubiconの量が、加齢した線虫・ハエ・マウスの組織で増えることを示しました。Rubiconを減らすと線虫とハエの寿命が延び、加齢に伴ういくつかの変化が改善したことから、Rubiconによるオートファジー活性の抑制が老化の特徴の一つであると報告しています。

    PubMed
  • 2009 Nat Cell Biol 11(4):385-96

    Two Beclin 1-binding proteins, Atg14L and Rubicon, reciprocally regulate autophagy at different stages.

    Matsunaga K, Saitoh T, Tabata K, Omori H, Satoh T, Kurotori N, Maejima I, Shirahama-Noda K, Ichimura T, Isobe T, Akira S, Noda T, Yoshimori T

    オートファジーに必須なタンパク質Beclin 1に結合する新たなタンパク質として、Atg14LとRubiconを同定しました。Atg14Lを欠くとオートファゴソームの形成が損なわれ、Rubiconを減らすとオートファジー(特に成熟の段階)が亢進することから、両者がオートファジーを異なる段階で逆向きに調節すると報告しています。

    PubMed
  • 2006 Nature 441(7095):885-9

    Suppression of basal autophagy in neural cells causes neurodegenerative disease in mice.

    Hara T, Nakamura K, Matsui M, Yamamoto A, Nakahara Y, Suzuki-Migishima R, Yokoyama M, Mishima K, Saito I, Okano H, Mizushima N

    神経細胞でだけAtg5を欠損させたマウスが、進行性の運動機能の障害を示し、神経細胞内に封入体が蓄積することを示しました。病気に関わる変異タンパク質がなくても神経変性が起こることから、通常時のオートファジーによるタンパク質の継続的な除去が、異常なタンパク質の蓄積を防ぐうえで重要だと報告しています。

    PubMed
  • 2006 Nature 441(7095):880-4

    Loss of autophagy in the central nervous system causes neurodegeneration in mice.

    Komatsu M, Waguri S, Chiba T, Murata S, Iwata J, Tanida I, Ueno T, Koike M, Uchiyama Y, Kominami E, Tanaka K

    中枢神経系でだけAtg7を欠損させたマウスが、行動の異常を示して生後28週以内に死亡し、大脳と小脳の皮質で神経細胞が大きく失われることを示しました。神経細胞にはユビキチン化されたタンパク質が封入体として蓄積し、オートファジーが神経細胞の生存に欠かせないと報告しています。

    PubMed
  • 2004 Nature 432(7020):1032-6

    The role of autophagy during the early neonatal starvation period.

    Kuma A, Hatano M, Matsui M, Yamamoto A, Nakaya H, Yoshimori T, Ohsumi Y, Tokuhisa T, Mizushima N

    マウスでは出生直後に多くの組織でオートファジーが強く誘導されることを示しました。オートファゴソームの形成に必須なAtg5を欠くマウスはほぼ正常に生まれるものの生後1日以内に死亡し、アミノ酸濃度の低下が見られたことから、新生児期の飢餓を生き延びるうえでオートファジーが重要だと報告しています。

    PubMed
  • 2004 Science 306(5698):1037-40

    Autophagy defends cells against invading group A Streptococcus.

    Nakagawa I, Amano A, Mizushima N, Yamamoto A, Yamaguchi H, Kamimoto T, Nara A, Funao J, Nakata M, Tsuda K, Hamada S, Yoshimori T

    細胞に侵入したA群レンサ球菌が細胞質へ出ると、オートファゴソームに似た膜構造に包まれ、リソソームとの融合によって殺菌されることを示しました。オートファジーを欠くAtg5欠損細胞では菌が生き残って増殖したことから、侵入した病原体に対する防御の仕組みとして働くと報告しています。

    PubMed
  • 2004 Mol Biol Cell 15(3):1101-11

    In vivo analysis of autophagy in response to nutrient starvation using transgenic mice expressing a fluorescent autophagosome marker.

    Mizushima N, Yamamoto A, Matsui M, Yoshimori T, Ohsumi Y

    オートファゴソームの目印となるLC3に緑色蛍光タンパク質(GFP)をつないで全身で発現させたトランスジェニックマウスを作製しました。蛍光顕微鏡での観察から、栄養飢餓によるオートファジーの誘導は組織ごとに異なり、飢餓でなくても活発に起こる組織もあることを示しました。

    PubMed
  • 2000 Nature 408(6811):488-92

    A ubiquitin-like system mediates protein lipidation.

    Ichimura Y, Kirisako T, Takao T, Satomi Y, Shimonishi Y, Ishihara N, Mizushima N, Tanida I, Kominami E, Ohsumi M, Noda T, Ohsumi Y

    オートファジーに必須な酵母のタンパク質Apg8が、脂質の一種であるホスファチジルエタノールアミンと共有結合する、新しいタンパク質の脂質化を報告しました。この反応はE1酵素Apg7とE2酵素Apg3によるユビキチン化に似た仕組みで進み、オートファジーにおける膜の動きに欠かせないとしています。

    PubMed
  • 2000 EMBO J 19(21):5720-8

    LC3, a mammalian homologue of yeast Apg8p, is localized in autophagosome membranes after processing.

    Kabeya Y, Mizushima N, Ueno T, Yamamoto A, Kirisako T, Noda T, Kominami E, Ohsumi Y, Yoshimori T

    酵母のApg8の相同体であるラットのLC3が、加工を受けた後にオートファゴソームの膜に結合することを示しました。LC3には細胞質にあるLC3-Iと膜に結合したLC3-IIの2つの型があり、LC3-IIの量がオートファゴソームの形成の程度と相関すると報告しています。

    PubMed
  • 1998 Nature 395(6700):395-8

    A protein conjugation system essential for autophagy.

    Mizushima N, Noda T, Yoshimori T, Tanaka Y, Ishii T, George MD, Klionsky DJ, Ohsumi M, Ohsumi Y

    酵母のオートファジー欠損変異体の解析から、タンパク質Apg12がApg5に共有結合する、ユビキチン化に似た結合系がオートファジーに必須であることを示しました。この結合にはユビキチンE1様酵素Apg7などが必要で、Apg5とApg12には哺乳類の相同体があることも報告しています。

    PubMed
  • 1993 FEBS Lett 333(1-2):169-74

    Isolation and characterization of autophagy-defective mutants of Saccharomyces cerevisiae.

    Tsukada M, Ohsumi Y

    光学顕微鏡による選抜で、液胞にオートファジック・ボディを蓄積できない酵母の変異体apg1を分離しました。さらに75の変異体を選び出して15の相補性群に分類し、飢餓時の液胞でのタンパク質分解にオートファジーが欠かせないこと、少なくとも15のAPG遺伝子が関わることを示しました。

    PubMed
  • 1992 J Cell Biol 119(2):301-11

    Autophagy in yeast demonstrated with proteinase-deficient mutants and conditions for its induction.

    Takeshige K, Baba M, Tsuboi S, Noda T, Ohsumi Y

    液胞の分解酵素を欠く出芽酵母を栄養のない培地に移すと、細胞質の成分を含む膜に包まれた小さな球体が液胞内に蓄積することを示し、「オートファジック・ボディ」と名付けました。窒素や炭素などの欠乏で誘導され、通常のオートファジーの途中段階にあたると報告しています。

    PubMed
  • 1982 Proc Natl Acad Sci U S A 79(6):1889-92

    3-Methyladenine: specific inhibitor of autophagic/lysosomal protein degradation in isolated rat hepatocytes.

    Seglen PO, Gordon PB

    ラットの肝細胞で、3-メチルアデニンが細胞自身のタンパク質の分解を約60%抑えることを示しました。タンパク質合成やATP量には影響せず、電子顕微鏡で見えるオートファゴソームの形成も抑えたことから、オートファジーの特異的な阻害剤と考えられると報告しています。

    PubMed

各論文の詳細は PubMed(米国国立医学図書館)の掲載ページをご覧ください。

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